接骨院、整骨院の施術照会書とは?

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接骨院に通っていると加入している健康保険組合から施術内容を求める照会書が届く場合があります。

届いた書類を必ず送り返さなければならないの?

どうやって記入したら良いかわからない。

変に記入すると何かペナルティがあるの?

無視したらどうなるの?

などでお困りの方が多くいらっしゃるようです。

接骨院、整骨院側から見た実情と保険組合から見た実情をお話ししたいと思います。

施術照会書とは?

『健康保険を使って柔道整復師(接骨院、整骨院)の施術を受けた方に対し、施術内容や負傷原因等について問い合わせをする施術内容照会を実施しています。

これは、柔道整復師から請求のあった療養費支給申請書の内容と実際の施術の内容等とが一致していることを、施術を受けた方に直接確認をさせていただくものです。』

という説明がされています。

例えばこういったものです。↓

どうしてこういった照会があるのか?

「保険料の適正化」というのが最大の目的であり、さらに保険組合の療養費の削減ということがあります。

柔道整復師の不正請求(施術部位、施術日数の水増し)が過去に多く見られ、それの是正するために施術の照会を行うようになりました。

どういった人が照会の対象になるのか?

「基本的には、多部位(3部位以上)、頻回(月10日以上)、または長期(3か月以上)に該当する方に対し、照会を行なっています。」

という説明をする保険組合が多いです。

しかしながら、上記に当てはまる方全員が照会の対象になりません。期間が空きすぎていたり、現在住所から離れすぎていたりなど色々な条件があるようです。

具体的には以下の方も照会になる方もいます.

  • 月に一回しか通院していない
  • 整形外科を同時に受診していた
  • 月に2か所の接骨院、整骨院を受診した
  • 特に理由がなくランダムで選ばれた

等の対象がありますが、ここで言えることは照会の対象になったからといって施術を受けたご本人や通っている接骨院、整骨院が疑われていたり、悪いわけではないということです。

実際に施術を受けているのか、本当にケガをしているのかを確かめることが本当の目的で決して接骨院の受診を否定する物ではありません。

あくまで施術に関する確認書という認識を持っておきましょう。

届いた施術照会書は送り返さなければならない?

届いた照会書を送り返さなければならないのか?という点を先にお答えすると、

「送り返した方が接骨院側にも保険者にも丁寧である」ということです。

送り返す義務はないですが、送り返した方がベターいう感じです。ただし、気をつけなければならないのが通院した記憶のない照会書を無視し続けると詐欺を共謀したと勘違いされることもあるということです。身に覚えの無い照会書は絶対に送り返すか保険組合に連絡をとってください。

記入の仕方がわからない。施術部位、日数、金額がわからない。

いざ記入をしようと思っても照会の月が3ヶ月から6ヶ月前のケースが多くあるので、覚えていなかったり、間違えて記入をしてしまうことがあります。

正直、しっかりと回答できる方は少ないと思います。少しでもわからなかったり、迷ったりした場合は直接掛かった接骨院や整骨院に「施術照会書が届きました」と問い合わせてください。

人によっては「本当に直接接骨院側に聞いてもいいのかな・・・」と感じる方もいるかもしれませんが、これは厚生労働省が認めていますので安心して尋ねるとよろしいかと思います。

接骨院側の請求内容と齟齬がある場合

接骨院側の請求内容と保険を使って施術を受けた患者側の照会書内容に違いがあると返戻といってレセプトが接骨院側に戻ってきます。

そうなると接骨院に支払われる保険請求分の支払いがストップします。

回答内容が接骨院側と齟齬があった場合は最悪のケースだと上記の保険請求分がご本人に来ることもあります。くれぐれも曖昧なまま提出をしたり、適当に書いて提出をしないことをお勧めします。

施術部位とは?

接骨院で施術を受ける際にはご本人の主訴の部位だけでなく、周辺の部位を合わせて施術する場合があります。柔道整復師が徒手検査やエコーで確認し、ケガがあると認めた場合は2部位、3部位の施術を行うケースがあります。

「ギックリ腰で腰を痛めた」という場合だとそれに合わせて背部や股関節を捻り損傷していることがあります。大抵の接骨院では施術部位に関しては、施術を行う前に部位に関して確認を行っていると思います。

注意しなければならないのは施術照会書に記入するときに主訴である部位だけを記入してしまい接骨院側と齟齬が出てしまうことです。

少しでも施術部位に関して迷っているならば接骨院側に確認をとることをお勧めします。

接骨院に連絡したくない、接骨院が廃業している場合

人によっては通っていた接骨院に連絡をとりたくない、そもそも廃業していたりまたは移転していて連絡が取れないなどのケースがあります。

そういった場合は保険組合に連絡をするか、照会書にそういった旨を記入するのがベストです。先にもあったように適当に記入したり、間違ったことを記入すると接骨院側に迷惑がかかるばかりかご本人にも請求が来ることをあり得るので注意が必要です。

施術照会書を無視するとどうなるか?

施術照会書の提出期限は書類が到着してから1週間から2週間程度の短い期間が多く、提出を忘れていたり、面倒であったりと提出をできなかったらどうなるのでしょうか?

答えは「特にペナルティは無い」ということです。回答が得られないといって、保険負担分がご本人に請求されることは無いといって良いでしょう。とはいえ何度も無視を続けると健康保険組合から電話や直接確認をされるケースがあります。

上記の保険分の支払いが本人にされることも回答が無いからといって請求されることもありません。確認が無いままそういったことは無いので安心してください。

本来の施術照会の目的

人によってはこういった施術照会書が届いたから「接骨院に通ってはいけないのだろうか」、「接骨院が何か悪いことをしているのでは無いだろうか」など思われる方もいるかもしれません。

ただし、そう思ってしまうのは本来的な目的からは違います。厚生労働省によると、

柔整療養費の審査については、柔整審査会での審査により行われており、平成29年10月からは柔整審査会の権限の強化等も行われている。一方、被保険者等への照会については、不正の疑いのある施術や多部位、長期、頻度が高い傾向があるなどの施術について、実際に施術を受けているかや外傷によるものかを確認するためのものである。
したがって、被保険者等への照会については、本来の目的である不正の疑いのある施術等についての被保険者等への確認のために実施するものとし、受診の抑制を目的とするような実施方法は厳に慎まれたい。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/jyuudou/dl/h300524-1.pdf

以上のように照会書による接骨院の受診の抑制をしてはならないとされています。

それどころか行き過ぎた照会は止めるように注意をしているくらいです。

照会書が届いたイコール悪いことをしているわけではないのでご自身でわかれば提出をし、わからなければ接骨院側に相談ということをしましょう。

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